セルライトケア実践していますか?

マスコミにデビューしたばかりの私ときたら、そりやあ目もあてられなかった。
それまでいた広告業界風のテクノファッションは、私に全く似合っていなかったけれど、堅固にそれを着続けていた。 おまけにデプのくせしてYを好んだ。
これは単にウエストがゴムだったからという理由による。 今思うと、Yさんに何て失礼なことをしたんだろうか…。

そんな過去があるにもかかわらず、Tはこう言ってくれたのである。 が、Tからお世辞とも本気ともいえぬ言葉を耳にしてから、私はちょっぴり変わっている。
「やっぱり、あんたって業界じゃいちばんおしゃれなんじゃないのぉ」「えっ、本当!!」「うん、女流作家業界じゃね」私はがっかりした。 女性文化人業界、とか言われるならともかく、女流作家の業界というのはかなり狭い。

自称の人を除けばそう何人もいないんじゃないだろうか。 それにこの業界はわりとおしゃれに興味がない人が多いし、あってもコンサバ系である。
が、誉められたことには変わりなく、私はこれをかなり誇張して夫に喋った。 「ケッ、それがどうした」と夫は冷たく言い放つ。

「君たちの世界っていうのは、基準が違うんだよ。 キミだってさ、いい年していつもタイトにミニだしさ。
ああいう格好って君たちの世界にだけ通用するんじゃないの」お堅いサラリーマンの夫は、私みたいな格好が昔からあんまり好きじゃない。 おしゃれというと髪をふわっとさせて、ナチュラルストッキングをはいた女の人をうかべるみたいだ。
それに家にいる時の私の格好ときたら相当ひどい。 朝、夫をおくり出す時寒いので上はセーターを着ている。 が、下はハジャマのまんまだ。 夜は夜で同じセーターを半月ぐらい平気で着たい。
家から一キロ離れたエステに行こうとする時、私はスッピンで家を出る。 髪もくしゃくしゃ。

ポロ隠しのコートもあるし、いつものセーターとパンツでいいや、と思う時、私はいつもこうつぶやくことにしているのだ。 「私の名声が、私の名声が…」もちろんそんなものはありはしない。
が、ごくたまには、「Hさん、この頃キレイになったね」「いつもおしゃれしてる」という言葉をいただくことがある。 これを宝石のように大切に集めておく。
そして自分自身の妄想で多少ふくらませていく。 そして何かの時にいつもこうつぶやく。


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